2月のテーマ「梅」を詠む
ハードエッジ
東京都
太宰府や都の梅に魁(さきがけ)て
<黛まどか 選評>
「飛梅」という言葉をあえて使わず、「飛梅」を背景に据えながら詠っているところがこの句の眼目です。大宰府の梅が京都にさきがけて咲いたのは、単に地域の気温差の問題ではなく、菅原道真への追悼に他なりません。また「令和」への挨拶句でもあるでしょう。スケールの大きな句をさらりと一句に仕上げています。
門脇かずお
鳥取県
一斉に梅開きけり京匂ふ
engawa
京都府
真青なる空を狭しとしだれ梅
- 簪(かんざし)の小鈴ひびくや梅月夜(渡辺輝夫/栃木県)
- 撫牛に梅散りかかる日和かな(外山まこと/東京都)
- 白梅に白梅の影ふれてゐし(釜眞手打ち蕎麦/埼玉県)
- 願掛けに上るきざはし梅匂ふ(竹葉/東京都)
- 白杖を止めて見上ぐる先に梅(藤色葉菜/東京都 )
<黛まどか 総評>
凛と咲く梅の姿、香り、影、月夜…と梅の様々な美しさが句で姸を競いました。
「真青なる…」「白梅に…」など、梅という季題に正面から挑んで写生した句、「簪」「撫牛」「白杖」「願掛け」など、少し梅から視線を外したところで詠んだ句など、どれも梅の花の本質をよく捉えています。「一斉に梅開きけり…」は、梅が匂ふのではなく「京匂ふ」としたところが心憎いほどでした。
今月の優秀句に選ばれたみなさまへ
優秀句(最優秀・優秀・入選)に選ばれた皆様には、京都にちなむ賞品を贈呈させていただくと共に、黛まどか主宰のオンライン句会にご招待させていただきます。以下のリンクよりご連絡先をお知らせください。
黛まどか主宰・オンライン句会
開催の予定
2021年4月