1月のテーマ「初」を詠む
高橋すずめ
京都府
初みくじ陽あたる枝に結はへけり
<黛まどか 選評>
初詣で引いたおみくじ。願いを込めて境内の木の枝に結びました。日陰ではなく、「陽あたる」枝を選んだところに作者の思いが凝縮されています。あらたまの日に包まれたおみくじは、白く輝き淑気に溢れています。
景山典子
香川県
庭にはや香るものあり初箒
稲岡俊一
東京都
書初めに令和の和の字迷いなく
- 懇切な案内(あない)を賜ふ初句会(薫風/栃木県)
- 初弘法母へ小ぶりの植木かな(藤田ゆきまち/三重県)
- 胎の子も入れて揃って初写真(風花まゆみ/北海道)
- 拍子木の一際高き初芝居(三日月/東京都)
- 弁当に一品多し初仕事(クリームソーダ/愛知県)
<黛まどか 総評>
日頃何気なくしていること、見ているものも、年があらたまると特別なものに感じられます。寒さの中庭に香る草花を見つけたのも、拍子木の音が一際高く響いたのも、お腹の子も初写真に収まったことも、作者の新春を寿ぐ気持ちがあればこそ感受できたものでしょう。また懇切な句会の案内や初弘法でお母さんのために求めた植木、いつもより一品多かったお弁当は、新年を共に迎えた喜びの顕れに他なりません。書初めに「令和」と書いた作者。殊に「和」の字を迷いなく書いたことに、今の混沌とした時代を感じ、作者の決意が強く伝わってきました。
今月の優秀句に選ばれたみなさまへ
優秀句(最優秀・優秀・入選)に選ばれた皆様には、京都にちなむ賞品を贈呈させていただくと共に、黛まどか主宰のオンライン句会にご招待させていただきます。以下のリンクよりご連絡先をお知らせください。
黛まどか主宰・オンライン句会
開催の予定
2021年4月